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塗料の選び方は?目的や費用から選択する重要性を解説!

外壁塗装で使われる重要な物の1つに塗料があります。外壁塗装だけでなく、屋根、内装インテリア、日用品にはさまざまな塗料が使われており、目的や使える予算に応じて使い分けるのが基本です。そこで、この記事では塗料の基本として、種類の違いや選び方のポイントを解説します。

塗料は特徴に違いがある?

まずは塗料に違いがあることを知るために塗料の性質や種類について説明します。

2つの性質「水性」・「油性(溶剤)」

塗料を大きく2つの性質にわけた場合、「水性」と「油性(溶剤)」の2つがあります。一般的に、マジックの塗料で「水性」と「油性(溶剤)」に分けられているから、詳しくない人でもこの分類は馴染みやすいことです。

しかし、外壁塗装に使う塗料の場合は、技術の向上により、「水性だから雨風に弱く、すぐ落ちる」といった単純な特徴ではなくなっています。
むしろ、臭気が気になる塗装場所は水性の塗料を選ぶなど、柔軟に選択できるのが現在の水性の特徴です。

逆に、「油性(溶剤)」はシンナーを入れているので、独特の匂いがします。もちろん、「油性(溶剤)」のほうが耐久性が高く、塗膜が硬いため傷がつきにくいという長所があるでしょう。

塗料の主な種類

塗料には性質だけでなく、いくつかの種類に分かれており、特徴や性能が異なります。
通常、外壁塗装の依頼では、塗料の種類を以下の中から先に選びます。

アクリル

外壁塗装ではすでに使われていない塗料です。耐用年数が3~5年、長くても8年と短いことが特徴です。
本来の色を表現しやすいという利点があるため、室内やインテリアのカラーリング、デザイン性を求めるときに使われます。
例えば、アクリルの使用先によくあるのが、軒裏の塗装やマット塗装のつや消しです。

水分を透過するため、水気を避けたい建材に対しては使いにくいのが短所です。
そこで、水気が浸透する必要のある素材にはあえてアクリルを使います。また、1型と呼ばれる自然乾燥で乾くのも特徴です。

ちなみに、純粋なアクリルのことを「ピュアアクリル」と呼びます。
アクリルよりも性能が高く耐用年数も長いため、同じアクリルと名前がついていても性能は別物です。

ウレタン

さまざまな素材(木や金属)の塗料に使える特徴があり、耐用年数が5~7年、長くても10年です。
住宅に使うには少し耐用年数が短いですが、費用はそれなりに安いでしょう。
ウレタン塗料の種類が豊富で昔から業者の中には塗装できる人材が多いのも特徴です。

長所には、ひび割れが少なく、樹脂がよく密着し、弾性が高いのもあります。光沢があるので高級感も出やすいでしょう。
例えば、家具や楽器、鉄部分の塗装などによく使われます。
ただし、紫外線に弱く、外壁には耐久度が足りないという側面もあるのです。

シリコン

外壁塗装に向いている塗料でも知られており、耐用年数が7~10年、長くても13年と長く、コストパフォーマンスの高い特徴があります。
外壁塗装の塗料として提示することが多く、市場シェアもシリコンが8割を占めています。

水に強く、熱にも強い、そして風や紫外線にも耐える、しかも汚れにくい塗料です。ツヤや光沢のある仕上がりになります。
ただし、塗膜の硬さや費用面が少し高いことは数少ない短所です。
大きな建物に使用する場合などは向いておらず、長く住む普通の住宅に外壁塗装する場合に適しています。

フッ素

耐用年数が15年以上とかなり長く、公的な建物に使用されている耐久度の高い塗料です。例えば、東京スカイツリーや橋、公共施設の外壁・屋根、飛行機の塗料にフッ素が使われています。

シリコンよりも費用は高めですが、酸性雨でもダメージを受けにくく、カビや水気、熱、紫外線に強いことが長所です。ツヤの仕上げとなる塗料のため、それ以外は選択できず、塗膜のこともあり弾力がなく再塗装が難しい、という短所があります。

光触媒(ラジカル制御)

ラジカルフリーとして注目されている塗料です。
酸化チタンの反応を使って汚れを落とせるという魅力があります。しかも、耐用年数が15年以上とかなり長いのも特徴です。

太陽光の当たらない場所では反応が起きにくいため自動的に汚れを落とす機能は発揮できない短所はありますが、外壁や屋根の塗装にはとても向いており、ここ10年で台頭してきた人気の塗料です。

呼び方は業者により差がありますが、基本的な名称は光触媒(ラジカル制御)です。ただし、化学的に汚れを流すため、扱いが難しく専門的なため、ユーザーが技術的なメリットを共有しにくいことが挙げられます。

無機

無機塗料は、塗膜が劣化する原因となる有機物を減らして無機物中心にハイブリッドとして作られた塗料です。
耐用年数が15年以上あり、20年近くもつ場合もあることから、塗料の中で最も高く、耐久性の求められる建物に使われます。

天候の変化に強く、カビが生えにくく、ホコリ等の汚れがつきにくいという特徴があります。
また、燃えにくいため、他の塗料に比べると発火しにくいのも長所です。ただし、塗膜が硬く、再塗装が難しいことやひび割れを起こしやすいといった短所があります。

塗料を選ぶときのポイント

塗料を選ぶときは、外壁塗装をするときの建物の特徴を踏まえて、塗料の性質や費用面から使う塗料を決定します。

塗装の対象(住宅・建物、素材等)で選ぶ

選び方で重要なのは塗装する対象です。まず外壁・屋根・内装の違いで絞り込むことができます。そのうえで、塗装する建物の建材や日の当たり具合、天候の地域性、塗り替え頻度を考慮する必要があります。

一般的に外壁塗料は、シリコンを選んでおけば失敗は少ないといわれています。これは、シリコンが汎用性の高い塗料でさまざまな建物、状況に対応できるうえに、それなりの耐久年数・性能なのが理由です。また、高級住宅や大きな建物なら、シリコンではなく、さらに性能の良いフッ素や光触媒(ラジカル制御)塗料が選ばれます。

耐用年数・塗料の耐久性で選ぶ

塗料には種類があり、耐用年数が異なります。アクリルは短く、よく使われるシリコンで長め、フッ素や特殊塗料になるとさらに長いでしょう。
外壁塗装は10年程度もつシリコンが使われるのが一般的な傾向です。もちろん、耐用年数の長さで選ぶ場合、シリコンではなく、フッ素や特殊塗料を選んで、耐久性から長持ちする塗料を選ぶケースもあります。

性能で判断する

塗料には以下のような性能があり、必要に応じて個別に塗料を選びます。

防水性能

水を防ぐ性能のことです。
外壁や屋根は雨水にさらされるため、防水性能が必要不可欠です。

例えば、水に弱い建材に防水性能のない塗料を選ぶと、水を透過して内部劣化やカビ、腐敗、脆くなるといったリスクがあります。
防水性能のある塗料で建材を保護することで水分の透過を防いで、同時に塗料そのものを落ちにくくするのです。

断熱・遮熱性能

熱を防いで、室内外の温度を急激に上昇させないための性能です。
夏場の気温上昇を抑制したいときに、断熱素材とあわせて使えます。
ただし、遮熱塗料には冬場の断熱効果はないことに注意が必要です。
遮熱性能の高い塗料を使うことで、余計な熱を抑えて、夏場のエアコン効率を高められます。

防汚性能

汚れを塗料が寄せつけない、汚れにくいといった性能です。無機塗料なら静電気を抑えることで、汚れがつきにくいといえるでしょう。
また、光触媒(ラジカル制御)なら、汚れを化学反応で下に洗い流すこともできます。
他にも性能に応じて汚れにくい塗料が数種類あります。

防カビ性能

カビが生えにくい塗料のことです。
塗料には樹脂が含まれていて、カビが生えることがあります。
それを自然に生えにくくした塗料といえます。
一部のカビは室内に発生すると健康を害することもあり、小さい子どもがいればアレルギーの原因となることもあるでしょう。
そのため、浴室や台所のように水気が多く湿度の差がある場所には、防カビ性能のしっかりした塗料を選ぶことがおすすめです。

費用で選ぶ

一般家庭で行う住宅の外壁塗装、行政による公共施設の塗装、企業が依頼する塗装、これらで共通した塗料の選び方に「費用(料金・コスト)」があります。
耐久性が長く、性能が高いと塗料の費用は高くなり、塗る面積が大きいほど、総合的にかかる費用も高くなります。

そのため、予算との相談で塗料を決めるということはよくあるでしょう。
そこで、安い塗料を選ぶ人もいます。しかし、安いから「経費(予算)を削減できる」というわけではないことにも注意が必要です。
耐久年数が短く性能が低いため、塗り替えが頻繁に発生して費用負担が増えることがあります。

また、塗料の費用はあくまでも目安で、塗料の純粋な費用ではなく、業者による単価によって計算されます。
したがって、塗料の種類が高価なものだから外壁塗装の費用が高いとはいえず、自分で塗料を具体的に指定することが大切です。
その際にかかる費用を業者間で見積もりを受けるなどして比較しましょう。

カラー・デザインで選ぶ

インテリアや外観を重視した住宅の場合、デザイン性のある塗料を選択するというのは大きなポイントです。
塗料によって光沢や色合いが変わるだけでなく、デザイン性を選択できる特別な「多彩模様」の塗料もあるため、単色で塗るだけが塗料ではないというのも押さえておきましょう。

まとめ

今回は、塗料の選び方について塗料の種類や選び方のポイントを取り上げました。
塗料には耐用年数や性能に違いがあり、建物の建材や使用目的に応じて使い分けることが求められます。塗料の違いや選び方を身につけて、業者依頼の際には具体的に希望の塗料の名前を出せるようにしましょう。

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